過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
1- 20
993: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/05/01(木) 02:55:19.34 ID:wiguRyO8o

そんな言葉と共に、乱暴に通話は切られてしまった。

上条は小さく口元を緩ませる。
何だかんだ言って、彼女も中学生らしいところもあるものだ。

「うおっ!?」

気を緩めていたら、再び車が大きく揺れ、上条は横のドアに叩きつけられる。
いい加減にシートベルトを締めた方が良さそうだ。

前方からは浜面の声が飛んでくる。

「ったく、俺には派手なカーチェイスやらせておいて、自分は女子中学生と楽しくお喋りかよ!」

「カーチェイスって……うわっ! 追いかけられてんじゃねえか俺達!」

「あんな強行突破したら当たり前。はまづら、そこ右」

「おっけ!」

また大きく車が揺れる。
今度はシートベルトのお陰で、全身を打ち付けるような事にはならない。

座席に手を乗せて後ろを見てみると、数台のアンチスキルの車が追いかけてきているのが分かる。

「これ大丈夫なのか!? なんか後ろの奴等、銃構えてるぞ!?」

「ん? あー、大丈夫大丈夫、慣れてっから。滝壺、あとどのくらい?」

「もうすぐ。そこを曲がった先」

「えっ、まだ第二十三学区には着かないだろ?」

「違う違う、その前に追手を何とかしないといけないだろ?」

浜面の言葉の直後、ズガン!! と車の背後で土煙があがった。



***



舞い上がる土煙と、舞い落ちる白雪。
それは別に綺麗なコントラストを描くわけでもなく、ただ土煙が邪魔なだけだ。

麦野沈利は、後方へ走り去っていく車を見ながら溜息をつく。

「これがアイテムの最後の仕事になるのかしらね」

「超不満そうですね」

「ふん、浜面の奴に使われるってのは確かに気に食わないけど、まぁ、最後だってんなら少しくらい許してやるわよ」

「まさか麦野がここまで丸くなるとは思いませんでしたよ」

「うるさいわね」

隣の絹旗最愛はフードを下ろしながら、心なしか楽しげな口調だ。
そのまた隣には、黒夜海鳥が明らかに不機嫌そうな表情で舌打ちをしている。

「なんで私まで……」

「はまづら団だからじゃないですか。あなたとフレメアとフロイラインと垣根で」

「そんなもんに入った覚えはねえ!」

「ゴチャゴチャうっさいわね、くるわよ」

土煙が晴れていく。
目の前には車が数台に、アンチスキルが数十人。

この者達にとっては、取るに足らないものだ。

「一応言っておきますが、超殺さないように」

「分かってるわよ。その辺の手加減は流石に慣れたし」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1634.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice