過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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998: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/05/01(木) 02:59:59.95 ID:wiguRyO8o



***



上条を乗せた車は第二十三学区に向けて突き進む。
これまで何度かアンチスキルとぶつかる事はあったが、強引に突破している。
その結果、今も後ろにはアンチスキルの車両が何台か追ってきているという状況だ。

浜面はすっかり慣れた様子でハンドルを回しながら、

「これでも少ない方だけどな。まともにいってればこんなもんじゃ済まなかった」

「どういう事だ?」

「むぎの達以外にも、アンチスキルの包囲網を撹乱している人達がいる。人望が厚いんだね、かみじょうは」

「……俺はそんな大した奴じゃない。みんながとんでもなく良い奴なんだ」

「自分ではそう思っていても、周りの奴等にとっては違うって事だろ」

そう言われても、上条は素直に頷く事はできない。
今までやってきた事が全て正しいとは思えないし、もっと上手くやる事もできたはずだ。
それに結局のところ、上条は自分の好きなように動いているだけで、自己満足に過ぎないとも思っている。

だけど、例えそれが自己満足でしかなかったとしても。
その結果、救われた人がいる、こうして助けてくれる人がいる。

それは、きっと――――。

「……どっちにしろ、協力してくれたみんなの為にも、意地でもインデックスの元まで行かねえとな」

「おう、その調子だ。やっぱその方が上条らしいぜ」

「俺らしい?」

「あんま色々考えずに、とりあえず突っ走る……みたいな?」

「なんかすげえバカにされてる感があるぞ」

「大丈夫、はまづらも似たようなところある。私以外の女も助けてイチャイチャしてるし」

「だ、だからフレメアをカウントするのはどうなんでしょうか滝壺さん!?」

「惚気けてんのはいいけど、ちゃんと前見ろって前」

そう言う上条だが、こうやって楽しげな二人を見ていると、心を鼓舞されるようだった。
自分が手に入れたいもの、それは今この二人が見せているような、暖かい関係であるはずだから。

すると、滝壺がこちらをじーっと見る。

「……かみじょうは、インデックスの事が好き?」

「あぁ、好きだ」

「そう。それならやっぱり、私もハッキリ示した方がいいと思う。これは体験談」

「あー、そういや滝壺の方からキスしたんだっけ…………俺はちゃんと自分からいかねえとな」

「お、おい待て! それは俺もいっぱいいっぱいだったからで、もちろん俺だって自分からガツンといくつもりで……」

「はまづらの方からガツンと来られてたら引いてたかも」

「えっ、マジ?」

浜面は本気で驚いたらしく、目を丸くして彼女を見る。
このスピードで余所見しまくりというのは心臓に悪いのだが、それだけ自分の技術に自信があるのだろう。

「……なぁ、俺もインデックスに引かれるっていう事はないだろうな」

「ないとは言えない。笑顔で『ごめんなさい、無理かも』って言われる可能性もある」

「それやられたらしばらく寝込む自信あるぞ、俺」

「普通に情けねえなオイ……」

浜面が呆れた声を出すが、事実なのだから仕方ない。
出来れば想像したくない返答だ。


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