過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その５ -SS速報VIP

過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その５

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4:一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.[saga]
2011/12/06(火) 22:24:37.50 ID:8gQKD9ePo
「はぁぁ……」

臍下丹田に重心を置き、全身からそこへ神経を集中させる。
丹田を通し、練り上げた何かを構えた右手に集める。
限界まで溜め込み、一気に集中させ放出する。

「俺のこの手が光って唸る！
　お前を倒せと輝き叫ぶ！
　ひぃいっさつ！

　シャァァァイニングゥ！
　
　フィンガァァー！」

……。

しーん。

「こほん」

き、気まずい、ものっそい気まずい！
叫んだよ、俺、全力で叫んじゃったよ？
どーすんの、どーすんの俺？

「ぐふ！」
「じ、二郎様？」
「いかんな、俺にはどうやら気という奴は鬼門らしい…。
　すまんが、肩を貸してくれ…」

わざとらしく片膝をつき、ぜえぜえと呼気を荒くする。

「は、はい！申し訳ありません！
　私の修練が未熟なばかりに、二郎様にご負担をおかけしてしまいました！」

あ、やべ。
やりすぎた。
凪、涙目だ。

「い、いや、凪に無理を言って教えを乞うたのは俺だ。
　無様を晒したな。笑ってくれていいさ」
「何をおっしゃいますか！
　私のせいで二郎様のお体に何かあったらと思うと、軽率を悔やんでも悔やみきれません！」
「いや、どうやら身体は大丈夫なようだ。
　はは、とことんこの身は気という奴と縁がないらしいさ」

……。
まあ、ぶっちゃけ、気という奴を出したりでけんかなーと凪に教えを乞うたわけだ。
んで、玉砕と。
どうやら俺と手のひらを合わせていた凪曰く、まったく気が放出されていなかったらしい。
イメージが大事だというから、とっておきの奴を披露したのになあ。ぐすん。
だってあこがれるじゃない、かめはめ波とか石破天驚拳とか。
せっかく気の使い手が身近にいるんだもん、チャレンジしたっていいと思うの。

ただし現実は非情で、どうやら俺には才能とか適正がないみたい。
いいもん、猪々子とか春蘭とかだって縁がなさそうだったもん。
そんなん使えるなら春蘭なんかあちこち乱射してそうだしな。
きっとアレだ、いわゆるレアスキルって奴に違いない。
となれば、目の前のこの凪という気の使い手、かつ美少女が身近にいてくれるっちゅうのは僥倖だろう。
ひょっとしたら発動条件とかあるかもしらんし。
あ、三尖刀を発動した状態ならいけるかも…？

※無理でした

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