過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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273: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/11(日) 03:11:02.16 ID:YO3ZD/yXo
促されるまま、ランプを消して二人のサキュバスを両脇に侍らせた姿で横になる。

このまま目を閉じれば、すぐにでも眠れてしまいそうだ。
そして、朝を迎えて最後の一日が始まる。
二人のサキュバスの寝顔も、温もりも、もう二度と味わうことは無い。

魅了するかのように見つめてくるアメジストのような瞳も。
あどけなく輝かせて見つめてくる金色の瞳も。
二度と、『勇者』を見つめる事は無い。

最後に、何か言おうと、サキュバスAの方に顔だけを向ける。
しかし、声が紡がれる事は無かった。

彼女は、もう眠ってしまっていた。
規則正しく立てる寝息が、耳に心地良い。
疲れていたのか。
それとも、眠る事でしか振り払えない念があったのだろうか。

もう、それを聞くことすらできない。
聞いても、どうする事も自分にはできない。
だから。

――せめても、と。
勇者は、両側の淫魔を抱き寄せ、自らもまた、眠りの世界へと落ちていった。


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