過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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356: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/13(火) 04:45:05.64 ID:3MnLayldo
高く青い空の下、勇者は思う。
これが、自分の人生で最後に許された『平穏』の時なのだと。
血生臭く危険と波乱に満ちた、旅のような人生の中での一時の休息なのだと。

夜に向けて、日が落ちていく。
この青空を見ていられるのも、残り数時間。

何をするでもなく、ただ、空を含めて風景を見やる。
30分もそうしていたら、誰かが茶器を銀製の盆に載せてやって来た。

堕女神「…失礼いたします。お茶をお持ちしました」

彼女はそう言って、眼にも正しい動作で紅茶を淹れる。
湯気が立ち上り、ふわっと芳しい香りが、まるで霧が広がるように勇者の鼻へと届く。

勇者「………」

椅子に背をもたれさせながら、彼女の手元をずっと見ていた。
美しいのもそうだが、彼女の手は、とても優しいのだ。
母親の手のように暖かく、柔らかく、そして、どう表現もしようがない程に、優しい。

堕女神「…いかがなさいました?」

勇者「……綺麗だな、って」

堕女神「?」


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