過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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357: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/13(火) 04:57:41.85 ID:3MnLayldo
勇者「いや、何でもないよ」

ごまかしきれてはいないが、それでも、彼が何でもないと言うから追求はしない。
彼女は、全くもってよくできた侍従だった。

勇者「…ちょっと、待ってくれ」

茶を淹れ、菓子の載った盆を置いて去ろうとする彼女を、勇者が引きとめた。
何か不手際があったか、と軽い緊張が走り、次いで、立ち上がった勇者へ眼を向ける。

堕女神「何でしょうか?」

勇者「昨日、俺に訊いたな。今、答えるよ」

堕女神「昨日?」

勇者「『夜』と言ったが。……何故かな。今、言っておかなくちゃいけない気がする」

思い出したか、彼女が怪訝な顔をする。
そして、少し経ち――気付く。
彼があまりにも哀しげな、”笑顔”を浮かべている事に。

勇者「俺―――『勇者』なんだ」

風が、ざぁっと吹き抜けた。
木々を揺らし、葉がざわざわと擦れる音が聞こえる。


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