過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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552: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:07:49.97 ID:0fXm8d2Co
加速しながら引き戻される意識は、一気に減速して、『魔王』の城へと戻った。
受肉したようにすっぽりと元の体に収まり、瞬間、耐え難い吐き気に襲われる。
術法で意識を揺さぶられた事にもだが、
淫魔の国で七日間を過ごした勇者に対し、禍々しく重い、圧し掛かるような殺気に満ちた魔王の城の空気は毒に感じる。

勇者「うっ……ぶ……はぁ…」

塩気の多い唾液が口を満たし、嘔吐の前兆をもたらす。
それでも、必死で押さえ込み、身を折りながら必死に耐えた。

魔王「ククっ…『おかえり』勇者よ。随分と満喫したようだな?」

眼前には、玉座に座ったままの魔王。
この世界では、どれだけの時間が経っていたのだろう。

途上に現れた魔王の腹心を引き付けるため、戦士、魔法使い、僧侶の三人は残り、勇者だけがこの決戦の場に立った。
三人は、倒してから必ず追いつくと約束していた。
その約束は、疑わない。

そして、三人は未だ現れていない。
七日間経っている、等という事は有り得ない。
筋力も萎えていない。
恐らく、そう大した時間は経っていないのだろう。

魔王「心配するな。貴様が行って戻ってくるまで、五分とかかってはいない」

勇者「…魔王っ……!」

魔王「さて、……淫魔の王の正体は、分かったか?」

勇者「……ああ」

魔王「流石は、勇者。我が最大の宿敵にして、『魔王』の対なる存在だ。聞こうではないか」


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