過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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554: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:10:17.68 ID:0fXm8d2Co
その言葉を聞き、ニィっと笑い、次の瞬間――狂ったように、笑い出した。
馬鹿馬鹿しいほどに高い天井と、石造りの広間に反響して響き渡る『魔王』の哄笑。
勇者でなければ、耳に残って神経症を患っても不思議ではない。
魔王の笑い声を受けながら、勇者の視線は揺らがず、ただ一点を見据えていた。
すなわち、歪ませて笑う魔王の顔を。

魔王「…失敬。いや、流石は勇者。推理もだが、何より……事態を受け止めた上で、そう言える点が実に良い」

勇者「貴様に褒められて嬉しいものか」

魔王「答えも明かされた事だ。出題者は補足の説明をするものだろう?」

勇者「……言ってみろ」

勇者が、促す。
殺気を滲ませ、全身に隙無く、研ぎ澄ました気迫を纏って。

魔王「……正解、だ。貴様が首を縦に振れば、ああなるのだ。贅に溺れ、快楽に溺れ、権勢に溺れる。
   美しい淫魔を片時も空かせず抱き、積もり積もった怨恨を堕ちた女神にぶつけ、何度も殺しかける」

勇者「…………」

魔王「その最中で勇者としての正義は消え、奢侈と色欲のみが支配する『怪物』となるのだ。
   魔王を倒せず甘言を受けた背徳から、『自分は勇者だ』と口にしながら女達を嬲る」

勇者は、黙ってそれを聞いていた。
七日間で堕女神とサキュバスAから聞いた話と、見事なまでに一致する。
そして、それが真実と成り得る事も――受け止める、しかない。
否定の言葉が、欠片も出てこない。


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