過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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557: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:14:14.43 ID:0fXm8d2Co
魔王「知っているのだ。……我を倒して祖国へ戻れば、英雄として妃を娶る事になるのだろう?」

事実。
一度力を付けて故郷に戻った時、もてなされた酒宴ではそういう話を持ちかけられた。

魔王「…そして、”魔王を倒して終わり”の戦いではなく、絶え間なく続く人間の戦争へと身を投じる。
   ………おお、おお。何と哀れな事か!いたいけな子供の時分に勇者へと任じられたばかりに!」

大袈裟に、歌い上げるように言葉を続ける。
反論は無い。

――魔王の言葉は、間違えてはいないから。
――危険なほどに、道理に満ちていた。

魔王「貴様はもう――十分に、世界へ貢献した。人々を脅かす山賊を打ち倒し、海原の魔物を屠り、凶行に及ぶ騎士団を止めた。
    勇者よ……人間の王達は、お前に何をくれた?」

魔王「彼奴らは、貴様に『戦い』と『危険』を命じた。だが、我は貴様にそんな事はしない。
   …もう、十分に戦った。その褒美として、貴様にはこれくらいあって然るべきではないか?」

玉座から立ち上がり、一段、一段と壇を降りてくる。

魔王「……今一度、言おうではないか」

勇者の眼前、2mほどの距離で大仰に腕を開き、陶酔するかのように口を開いた。


魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」


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