過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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561: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/17(土) 23:23:39.99 ID:0fXm8d2Co
弾かれたように両者が距離を取る。
魔王は壇上へ飛び、右手指先に五つの火炎球を形成して勇者へ放つ。
火炎球が四つ、勇者の前後左右へ着弾して退路を断ち。
残りの一つが、そのまま勇者へと向かった。

勇者「………っ!」

剣を左腰から後方へ引き、斬り上げる構えを取り、その瞬間を待つ。
チャンスは、一度のみ。

着弾。
勇者の姿が火炎に包まれ、魔王の視界から消える。
先に放たれた四つの爆炎と重なって、勇者は炎の中へ消える。
燃え盛る魔力の炎は陽炎を発し、玉座の先、大扉を歪ませる。
その熱波は、岩石をも溶かしてしまいそうだ。

しかし魔王は、油断の色を浮かべない。
これが小手調べであり、到底、勇者を倒し得ない事も分かっているから。

業火の中から、魔王が放ったのと同じ威力の火球が返ってくる。
真っ直ぐに、魔王のいる壇上へ。

炸裂音が石造りの広間へ響き渡る。
それは、命中して爆ぜた音ではない。

魔王は、片手でそのカウンターの火球を受け止めていた。
着弾の瞬間に何かが輝き、火炎を吸収したようにも見える。
魔力の壁を自身にまとっている。
高位の魔族は押し並べてそうであり、その長たる魔王が、魔力の攻撃を素通りさせて受ける筈が無いのだ。

魔王「受け流す、とはな。それも正確に、我へと向けて」


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