過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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623: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/18(日) 23:44:30.90 ID:iqMuIW78o
回復を受けている戦士の傍らに彼女を寝かせ、魔王へと視線を向けた。
左腕をまとめて失った痛みは、未だ響いているようだ。
戦士が命を賭して稼いでくれた時間を、無駄にはできない。

勇者「頼んだぞ、僧侶。…今度は、俺が時間を稼ぐ」

僧侶「そんな!無茶です!あの魔王を相手に、お一人でなんて!」

勇者「魔王が回復を待ってくれる訳が無い。……危険だというなら、急いでくれ。いつまでもつか分からん」

僧侶「……はい、どうか……死なないでください」

背に僧侶の懇願を浴びながら、剣を抜いて魔王へ向かう。
ゆっくりと歩み寄る足取りは徐々に加速していき、攻撃が手薄になると思われる左手側から斬りつける。

狙いは、脇腹。
魔力で強化された刀身が、紫色の体表へ吸い込まれていく。

勇者「っうあぁぁ!」

硬い。
勇者の剣に、強化呪文を乗せても、なお魔王の身体は硬い。
今身を持って知っただけに、先ほどの戦士の攻撃が、いかに強力だったかを思い知る。
勇者は皮膚を浅く薙いだだけ。
それなのに、戦士は――こんな魔王の腕を、二本もまとめて切り落としたのだ。

勇者「……クソっ……それなら!!」

柄をぎゅっと握り直し、呼吸を整える。
途中に襲ってきた魔王の右腕の一つを掻い潜り、再び距離を取る。



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