過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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630: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/19(月) 00:39:22.50 ID:IpKcrNbbo
逃がして、くれると。

魔王は、そう言っている。

僧侶「…………」

―――神よ、お許しください。
胸中にその言葉を唱えながら、後ずさる。
その所作に、魔王は……顔を歪め、嗤った。

しかし、嗤い顔が続いたのは、ほんの一瞬。

風が吹きぬけ、体表に傷とも呼べぬ傷が刻まれた。
浅く、皮を切り裂くだけのひ弱な呪文で。

―――神よ、お許しください。
―――私は、迷ってしまいました。
それが、密かな懺悔の続き。

僧侶「……魔王…から、は…逃……げ…ない」

今の呪文で、魔力は全て使い果たした。
これで、本当に”空”だ。

魔王「…勇者トイイ、貴様ラハ……救イガタイ。セメテ、終ワラセテヤル」

魔力が揺れ、魔王の喉の奥へと集まっていく。
逃げる事は、もう敵わない。


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