過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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722: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/21(水) 00:02:51.84 ID:nfQOajV2o
勇者「……『勇者』は、『魔王』がいないと存在できないんだ」

ぽつりぽつりと、語り始める。
仲間達は、それに聞き入る。

勇者「女神から貰った『勇者』の力は、『魔王』を倒すためのものだ。……俺は、それを戦争に使いたくない」

戦士「……だったら…どこかで余生を過ごそう。平穏に、残りの人生を送ろう」

勇者「それも、いいな。……でも、無理だ。無理なんだと分かったよ」

僧侶「どうして、ですか」

勇者「俺は、この世界に名と顔が売れすぎてしまった。今どき、『勇者』の風体を知らないほうがおかしいぐらいだ」

戦士「…………」

勇者「どこかで晴耕雨読の暮らしをしていても、いつか探し当てられる。目覚めれば、軍隊に囲まれている」

魔法使い「…なんで……何で、そうなるのよぉ……」

勇者「………俺は、この…救った世界の人々に、剣を向けたくない。『勇者』が最後に倒したのは、『魔王』であって欲しいんだ。
   みんなとの、『世界を救うため』の旅を、嘘にしてしまいたくない」

僧侶「酷いですよ。……貴方は……酷い人です」

魔法使いに続き、僧侶も肩が震え始める。
梃子でも動きそうにない勇者の姿に、あまりの決意の固さを感じてしまって。
それは――『勇者とはこの場で別れ』という意味にしか感じられなくて。


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