過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
1- 20
730: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/21(水) 01:09:45.36 ID:nfQOajV2o
勇者「…………魔王」

魔王「開くぞ?」

勇者の眼前に、異界への扉が現れる。
紫の光で縁取られた、簡素な、文字通りの『扉』が。

魔王「貴様は、どうする?……世界を救った。『勇者』である必要はもうない。……自分に従え。
    最後まで、『魔王』に抗うというのならそれもいい。『魔王』冥利に尽きるというものだ」

勇者「…もう一度、会えるのか」

足腰に無理に力を入れ、立ち上がる。
膝は震えて、足裏の感覚はおぼろげで、立つ事でやっと。

魔王「……行くがいい。彼女らと、堕ちた女神と、淫魔達と、隣国の女王と。再び――『出会い』直せ。
    ……だが、しばし待つが良い」

勇者が立ち上がったのを見て、諭すような言葉を紡ぐ。
そして、引き止め―――

勇者「何……を……?」

全身を光が包み、負傷箇所に繭を形作るように光が舞い踊る。
ねじれていた左腕は元通りに。
潰れていた左目、頭部の裂傷、更には、痛めつけられた内臓までが癒えていく。
ぼろぼろになっていた肺も修復され、呼吸が、たちどころに楽になる。

魔王「舐めるな。……我は『魔王』なるぞ。死に際であろうと、ヒトを回復させる程度の魔力はある」

勇者「…………」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/289.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice