過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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738: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/21(水) 02:10:58.85 ID:nfQOajV2o
集まった者達の中に、二人の、良く知る淫魔の姿があった。

一人は、どこか妖しい、悩ましい魅力を備えたサキュバス。
一人は、幼い印象を持つ、利発そうな少女の姿のサキュバス。

両者は、視線を向けられる事に困惑しているようだった。
まるで――懐かしい者を見るような目だったから。

玉座に深く、ゆっくりと腰賭ける。

堕女神がその隣から、控えめな、洗練された動作で彼の頭に冠を下ろした。

瞬間、民衆の沸き立つ声が聞こえる。
玉座の間だけではない。
同時に城の外からも響き渡るような、『王』を歓迎する声が。


この日、淫魔の国は新たな王を迎えた。

『世界』を救った勇者は、魔王によって『世界』から救われた。

その後の彼の治世は、淫魔達のみが知るところ。


―――ある一説では、堕ちた女神と交わり、半神の子を設けたとも。
―――ある一説では、国難にあえぐ隣国へ、暖かく手を差しのべたとも。
―――ある一説では、国の淫魔達へ惜しみなく愛情を分け与え、そして愛される王となったとも。

そして、ある『勇者』の物語は、ここで終わりとなる。



魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」


  完


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