過去ログ - 女「we are…」 幼女「てらーざ!」 姫様「ゴースト。」
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106: ◆N1RGqRourg[saga]
2011/12/11(日) 02:28:19.61 ID:KLX0v68c0

なぜか耳にすると落ち着く声色で、ガラスの向こうにいる女性は言う。
 これも不思議なもので、彼女の中に居たときと今とでは、聞こえる声色が違う。なのに私たち二人は、その声に安心するのだ。

父親「そうだねぇ」

 その隣に居た、先ほどからだらしない顔で微笑むままの男性が声を返す。

 彼女の中から生まれた時、彼は彼女と対照的に、不安そうに顔をクシャクシャにして、右手を彼女に握りつぶされていた。
そして私が共に生まれたこの人がひとつ産声をあげると、更に顔をクシャクシャにして、しかし安堵の表情を浮かべていた。

 そのときは私もこの人も、見知らぬ世界にただただ戸惑っていた。

 苦しそうに泣き出したこの人を、私はどうすることもできずにただ慌てた。
 身体を無力な私に支配され、なんとか動かした右手で、白い女性に抱きかかえられたこの人の頬に触れようとして、寂しさがあふれた。


―やはり私には、何も変えることはできないのか。―



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