過去ログ - 女「we are…」 幼女「てらーざ!」 姫様「ゴースト。」
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21: ◆N1RGqRourg[saga]
2011/12/07(水) 00:57:04.76 ID:Y9LMIm5T0

 娘のガサガサに荒れた手を両手でつかむ。

婆「私を…老い耄れを一人にしないで……」

 心から漏れた弱音を、風に揺れる庭先の葉の音がかき消した。

遅れてヒュッ…と風が吹き、仏間を吹き抜けてろうそくの火を消していった。

婆「…あぁ、点けなおさないと。……ごめんよ…」

 持ち上げていた娘の手をそっと褥の中に戻し、力の入らない足腰に筋を浮かばせて立ち上がる。

婆「ふぅ………?…」

 その際、何気なく庭を見ると、いつも蹈鞴に置いてあるサンダルが無くなっていた。

…代わりに、お隣のお爺さんがいつも履いていたスリッパが、そこに立ってこちらを見ていたかのように庭先に置いてあった。

婆「………」

 考える事を億劫に感じ、視線を仏間に敷いた布団に戻す。

婆「……?!」

 目の前の光景を受け入れるのに、少し時間がかかった。

娘が、音も無く半身を起き上がらせていたのだ。


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