232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/01/26(木) 14:02:58.72 ID:8mwsMNZS0
―あかり―
京子ちゃんが走り去ってから、雪が降るまでの間をぼんやりと過ごしてた。
いつもみたいに困ったように笑おうとして、笑ってみたけど携帯のディスプレイに反射する顔は、なんだかぐんにゃりしてた。
約束守れなかったね。
京子ちゃんが幸せになれたらいい、泣かせるようなこと無いようにってしてきたのに、今日は怖い思いをさせた。
あかり「えへへ、お、おかしいな」
携帯のディスプレイに落ちる雨、あかりの天気予報はいつも晴れなのに、今日は雨になっちゃった。
ちなつちゃんの言葉が頭を過って、昼間に池田先輩に言われたことに近いことを言われた。
あかりは京子ちゃんが幸せになれるようにって思ったから、約束したから、あの日に約束したんだから。
あかり「泣かないでよ、あかりは泣いちゃだめなんだから」
瞼を擦っても、涙はまだまだ溢れてくる。
京子ちゃんが泣いちゃったから?
違う、違うよって、分かってるから言葉が詰まちゃう。
あかり「わかってる、わかってるよ」
だんだんと雪の勢いが強くなってきて、ここにいたら風邪ひいちゃう気がした。
あまり体は丈夫じゃないことくらいわかってるよ。
でも、この雪の中なら誰にも見つからないよ。
だから、あかりはこの中で立ち尽くして、まだ溢れてくる涙を拭ってた。
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