過去ログ - 京子「アッカリーン」
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279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/05/09(水) 15:07:53.37 ID:nE7q8kWc0
 涙がもう止まらなくなってきて、それを隠すように千歳の胸に顔を埋める。
 正確には千歳が抱きよせてくれた。

綾乃「でも、歳納京子の心にあの子がいること気付いたの。敵うわけないよ、こんなの卑怯だよ」

 最初にこのデートのことを提案してくれて、サポートもしてくれたあの子が、歳納京子の心の中には住んでいる。
 ほんと、依存レベルで存在していて、そこに今頃現れたあたしに純粋な好意として入る余地なんてなかった。
 偽りの恋人としてなら、もしかしたらなれたかもしれない。
 でも、そんな関係が長く続くわけもないし、それはあたしが耐えられないって分かっているから。
 あの子の代わりであるあたしじゃなくて、あたしとして歳納京子の特別な人になりたいから。

綾乃「ずるいよぉ、こんなのって」

 抱き締めてくれる千歳は何も言わないで、ただ頭を優しく撫でてくれた。
 本当に優しくて、安心できる。

千歳「いっぱい泣いてええよ。綾乃ちゃん、今日はいっぱい頑張ったんやから」

 その言葉が暖かくて、優しすぎたから。
 何より、支えてくれることが分かってたから。
 あたしはそのまま、泣き始めた。
 支えてくれる、千歳の胸の中で泣く。
 歳納京子への恋情を全部洗いながすように、さようならって言葉にできないから、ただただ流し続けるだけだった。  




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