299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/08/25(土) 14:36:34.05 ID:FQAsJa+k0
―結衣―
珍しく寝付けなかったのは、今日のあかりの顔を見てしまったからだたとすぐにわかった。
あの辛そうな顔が、頭からなかなか離れないのは、まだあかりのことを完全に諦められないからだ。
ちなつちゃんの言っていた言葉が頭を過る。
後悔していない。
ちなつちゃんは後悔なんて絶対にしないって言っていた。
それは強がりだとかそういうことじゃない、本当に純粋な言葉だと信じられる語気があった。
今さっきまでいじっていた携帯に手を伸ばす。
開くのは画像のフォルダで、その中にはちなつちゃんが送ってきてくれた写真が結構ある。
結衣先輩に見てほしくて、これどう思います?
そんな当り触りない一言と一緒に送られてきた画像を見ながら、私も覚悟しなくちゃいけないんだと気付かされる。
今日の買い物だって、拒否すればよかったんだ。
あかりのことが好きなら、拒否しておけばよかった。あかりは傷つかないし、私も傷つかない。
そうなるべきだったって。
でも、私は、あかりに素直になってほしい。
結衣「あかりは道具なんかじゃない」
あかりは道具だなんだって言葉で、すべてをごまかしたがってる。
京子を好きなこと、私に告げたその言葉を、本人に言わないで、ぐちゃぐちゃに丸めた紙屑みたいにしようとしてる。
それが、とても我慢ならなかった。
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