53:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/10(土) 01:03:19.34 ID:9WsvdVQDO
横から声が聞こえて、でも私は顔を上げられなかった。
情けない、一押ししてもらってやっと声が出せる。
京子「き、決めたのに………、そうできなくて、私、弱虫で泣き虫で、意気地なしだから、怖いの」
怖い、あかりに拒絶されることが。怖くて一歩を踏み出せない。
そんな私に、あかりは語りかけてくる。
あかり「あかりね。今困ってることがあるんだ」
どこかやさしい声で、友人に気軽に相談するように、優しい音色で。おかしいよ、私はまだ謝ってもいないのに、なんでそんな優しい声を掛けられるのさ。
あかり「あかりの大切な人が、あかりの為に苦しんでて、それで泣いてるの。あかりの為になくことなんて無いのにね」
あかりが悪いんじゃないのに、何でそんなこというんだ。私が悪いのになんで……
京子「な、なんであかりは、そんなに優しくしてくれるのさ」
その私の言葉に、あかりはすぐに答えた。いつも通りの声で。
あかり「京子ちゃんも、あかりの大切な人だからだよ」
その言葉に顔を上げてしまう。あかりが今どんな顔をしているのか、何となくわかってしまったから。
目線が合って、そこにはいつもみたいに優しく笑うあかりがいた。
軽蔑なんてない、ただいつもみたいに優しいあかりがそこにいて、私は甘えるようにあかりの胸に顔を埋める。
限界だった。怖くて、でも云わなくちゃいけないって思う心が絡み合ってる。
もう、一歩踏み出せばいいのに、まだ怖いのか私は。
あかり「京子ちゃん、大丈夫だよ」
あかりの手が背中に回されて、暖かさを感じる。私の中の心がその怖い道に足を踏み入れた。
京子「ごめん、ごめんね」
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