過去ログ - アンリ士郎「あ、次の試合いつだっけ。」 嫁ライダー「安価で決めましょう」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[saga]
2011/12/07(水) 22:42:38.40 ID:VEWRkLAZ0
 ハサンに舌を巻かせたのは、セラフの周囲に張りめぐらされている警備体制だった。
 最初のそれは、施設を取り巻いている淡い電光色が走る床面だった。
 百メートルほどの幅で、ベルト状に施設を囲んでいるのである。
 対人触圧反応装置という名称で知られている警備方法だろう。
 人間がこの地帯に足を踏み入れると、その体重が建物の警報を鳴らせるのだ。
 さらには、触圧反応地帯の内側に、有刺電子線の二重柵が設けられている。
 いずれは、その上縁の電子線には高圧魔力干渉波が流されることになるのだろう。

 柵と柵との間に、番犬が放たれることになるのもまず間違いない。
 触圧反応装置、二重柵の高圧魔力干渉波……そのどちらが正常に働いていても、
 ハサンがセラフの施設に忍び込むのは不可能だったろう。
 セラフがいまだ運転を開始していないことを、神に感謝すべきだった。
 ハサンは闇を這いながら、苦笑を浮かべた。
 神に感謝することは、筋金入りの信仰者たる組織の暗殺部員にはあまりに似つかわしくない行為だったからだ。

 ひたひたという水音が聞こえてくる。
 前方に、川面のきらめきが見えた。
 川である。セラフは冷却水を川から取り、また放出している。
 川の幅は三十メートルほど、十五メートル幅の支流が設けられ、
 プログラム中枢にたどり着くには橋を渡らなければならない。
 ハサンは、橋を渡るわけにはいかなかった。
 それぞれの橋には、監視施設が設けられ、渡橋する者を厳重にチェックしているからだ。

 ハサンは、しばらく川岸の草叢に身を潜めていた。
 サーチ・ライトの強烈な明りが、くりかえし闇を薙いだ──河を走る武装監視ボートを見たときには、
 さすがのハサンも胃が痛くなる思いがした。


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