過去ログ - アンリ士郎「あ、次の試合いつだっけ。」 嫁ライダー「安価で決めましょう」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[saga]
2011/12/07(水) 22:43:25.31 ID:VEWRkLAZ0
川面までは三メートルほどの深さがあった。両岸が、垂直に切り立った固い魔力壁で補強されているのである。
ハサンはその魔力壁にぶら下がり、手を放した。
腹が魔力壁をずり、その体が黒い水に呑まれていった。
ほとんど音を立てない泳法だ。ハサンの痩せた体が、水のなかで魚のようにうねった。
二十メートルほどを泳ぎ、ハサンは小さな声を呑みこんだ。
10メートルはある魔獣ワニが視界を過ったのだ。
よほど餌を充分に与えられているのか、ハサンを見向きもしないで、悠悠と泳ぎ去っていく。
──気違い沙汰だ、とハサンは思わないではいられなかった。
ハサンは、なんとも薄ら寒い思いで河を泳ぎきった。鉤のついたロープを使い、魔力壁をよじ登る。
ハサンの運は、そこで尽きた。
地上にようやく体を持ち上げたとたんに、凄まじい光の奔流を浴びせられたのである。
さしものハサンも、とっさには抗する術も知らなかった。
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