過去ログ - アンリ士郎「あ、次の試合いつだっけ。」 嫁ライダー「安価で決めましょう」
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959:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/01/20(金) 16:07:17.02 ID:YeL03Idp0
 動きを止めた彼の身体の中で、なにかの臭いを嗅ぎつけたように、蟲どもが鳴いた。
 その動きにつられるように、彼は視線を落とし、そのときようやくそれに気づいた。
 声をあげることもできなかった。
 自身をこれほどまでに怯えさせたものは、彼の足下にあった。
 そして開け放たれた窓の真下に、先程怯えていた男がいた。
 なんの足場もない壁に、張りつくように浮かんでいる。
 声もなく、気配もなく、身じろぎもせずに雨に打たれている。
 不自然な形に首を曲げ、
 かすかにうつむき、
 張り出した窓枠に両手をかけて、
 まるで、磔刑にあったような姿で、
 ――あの男は死んでいたのだった。



「――――ヶヒャヒャヒャヒャヒャ――――」



 一つの物語が始まりの音を告げる。
 如何なる神話伝承も伝説も、この蜘蛛を妨げることはできない。


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