過去ログ - 妹の手を握るまで
1- 20
559:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/06(金) 18:27:00.88 ID:Kir/yBk8o
学園祭の後半、あたしとお兄さんは学園祭を回るのをやめ中庭の噴水脇のベンチでずっと他愛もないお話をして過ごした。
その後、校庭ではキャンプファイアを囲んでフォークダンスの輪が広がっていたけど、お兄さんとお別れしたあたしはその輪の中に参加せず赤々と輝く炎を眺めながら今日の出来事を何度も何度も心の中で反芻していた。


・・・・・・お兄さんの彼女になった今、あたしはできれば今までのことは全てなかったことにしたかった。あたしがお兄さんの彼女になリたいと思った最初の目的は、妹ちゃんとお兄さんが親密な関係になるのを防ぐためだった。
その気持ちは今でも失われていない。
だけど、決定的に違うのは、もともと妹ちゃんをお兄さんにとられたくないということから始めたこのゲームの目的がすっかり変容し、お兄さんを妹ちゃんにとられたくないという気持ちの方があたしの中ではるかに大きく育ってしまっていた。
お兄さんへの告白が受け入れてもらえた今でも、甘い安堵心は訪れて来なかった。時が過ぎるにつれお兄さんを妹ちゃんにとられるのではないかという恐怖、お兄さんに嫌われるのではないかという心配があたしの脳裏を占め始めた。


できればもう全てを忘れ自分を誤魔化したかった。あたしは最初からお兄さんに惚れお兄さんに夢中になりお兄さんに告白しお兄さんと恋人になったのだと自分に言い聞かせたかった。
でも、そういうわけにはいかない。あたしにはまだするべき事が残っていたのだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/743.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice