562:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/06(金) 18:36:54.22 ID:Kir/yBk8o
妹ちゃんはしばらく無表情だったけど、彼女の心の奥に何かが溢れておりそれを必死で鎮めようとしていたんだと思う。数秒して妹ちゃんは顔をあげ、いつものようにあたしの目を真っ直ぐにみながらあたしの手を握った。
「お兄ちゃんの彼女が妹友ちゃんでよかった」
「妹ちゃん」
「お兄ちゃんのことよろしくね」
・・・・・・チェックメイトだった。あたしはこのゲームに勝ったのだ。あたしとお兄さんはこれで晴れて恋人同士になれたのだ。
その時、妹ちゃんを呼び寄せる先輩のいらいらした大声が聞こえ妹ちゃんは、じゃあねと言って手をひらひら振って学食で待つ先輩の方に駆けて行ってしまった。
あたしは心が落ち着くのを待って、お兄さんにメールした。
from:妹友
sub:無題
本文学園祭の時はありがとうございました。お兄さんと別れてからもお兄さんのことを考えるとドキドキしちゃって(笑)、友だちからも何ぼうっとしてるのよとかって言われました(汗)
後夜祭のフォークダンスも去年は踊ったんですけど、今年はお兄さんと付き合うことになったその日にお兄さん以外の男の子に手を握られるが嫌だったので、輪の外で見学してました。
その間中、お兄さんとお話したことが思い浮かんでニヤニヤしちゃって・・・・・・他の生徒には一人でにやにやしている気持ち悪い女がいるって思われてたんじゃないかと思います』
『それで、さっきお昼休みに妹ちゃんとお話ししました。妹ちゃんを呼び出して、あたしがお兄さんに告白したこと、お兄さんがあたしを受け入れてくれたことを話したのです。
最初は妹ちゃんは無表情であたしは少し不安になったのですけど、しばらくして妹ちゃんはにっこりして。あたしの手を握ってくれて、お兄ちゃんの彼女が妹友でよかったって言ってくれました。
それで、お兄ちゃんのことよろしくねって、言ってもくれたのです。その後、彼氏先輩に呼ばれた妹ちゃんはあたしの手を離して先輩のところに駆けていってしまいましたけど』
『妹ちゃんにとってお兄さんはすごく大切な存在であることは、あたしにも前からわかってました。学校でもいつもお兄さんの話をしてたし・・・・・・。
でも、これは昨日お話しましたね。その大切なお兄さんを奪っていく(汗)あたしに、妹ちゃんはあたしでよかったって言ってくれたのです。本当に嬉しかった。お兄さん、これからも妹ちゃんに優しくしてあげてね。』
『これで今日の報告は終わりです。お兄さん、愛してます。こんなことメールで言うことじゃないかもだけど、本当の気持ちです。今度はいつ会えますか?時間があったら電話かメールしてくださいね(はあと)』
全てが欺瞞ではないけど全てが真実でもなかった。でも、あたしはようやくほっとしていた。これでもうゲームをしなくてすむ。これでようやく何も考えずにお兄さんの恋人の席に座っていられると。
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