569:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/01/06(金) 21:57:25.27 ID:Kir/yBk8o
あたしは多分先輩とふたりきりでイブを過ごしているだろう妹ちゃんに電話した。妹ちゃんはワンコールで電話に出た。
「あ、ごめんね。イヴで楽しんでる最中に。あたし、妹友だよ」
『どうしたの? 妹友ちゃん』
「先輩と一緒だった?」
『・・・・・・ううん』
「そうか。先輩と仲良くやってるんだ・・・・・・」
『・・・・・・妹友ちゃんは? 今お兄ちゃんと一緒なの?』
ここまで冷静に受け答えしていた妹ちゃんの声が少し震えた。
「あ、うん。お兄さんの部屋に二人でいるとこ。でさ・・・・・・妹ちゃん?」
妹ちゃんは黙りこくっている。お兄さんと一緒に泊まれるかもしれないという期待の前に、あたしには妹ちゃんという恋のライバルを思いやる余裕はなかった。
「すごく言いづらいんだけど、口裏合わせてもらえないかな?」
あたしは容赦なく次の言葉を口にした。
『な、何言ってるのかわからないよ』
妹ちゃんの弱々しい声。
「だから、今説明するって」
「そのさ。ちょっと頼みづらいんだけど」
「今日は、妹ちゃんの家でお泊りパーティーしてたことにしてくれないかな」
「あ、うん。うちの親って必ず先方のお家にお礼言わないとって名目で確認するから」
あたしが畳み掛けるようにそこまで話した時、妹ちゃんも弱々しい口調ながらも反撃してきた。
『・・・・・・妹友ちゃん、本気なの』
「・・・・・・妹ちゃん、何でそんなこと聞くの?」
あたしは落ちついて返事をした。
『妹友ちゃん・・・・・・本当にあたしのお兄ちゃんのこと好きなんでしょうね?』
「うん・・・・・・本当にお兄さんのこと大好きだよ。だから今日はお兄さんのアパートに泊まりたいの」
あたしはついにその言葉を口にした。そしてそれは心底から正直な言葉だった。
・・・・・・妹ちゃんはあたしの親から電話があった場合に口裏を合わせることを了解した。正直親なんて今はどうでもよかった。お兄さんのアパートにお泊りするあたしのことを妹ちゃんが認めたことが収穫なのだった。
「・・・・・・お兄さん、抱いて
あたしはお兄さんに抱きついた。
「・・・・・・いいの?」
お兄さんはあたしの体に腕を回しながら言った。あたしはお兄さんの腕に抱きしめられて陶酔しながらうなづいた。
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