過去ログ - 妹の手を握るまで
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639:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/09(月) 22:06:29.69 ID:8CpsmRrMo
妹友ちゃんは緊張しているせいかずいぶん早口でしゃべりだした。そのため最初は何を言われているのかしばらく理解できなかったくらいだった。

「・・・・・・中学生の頃から」

「女の子のことしか・・・・・・」

「最初は勘違いだと思ってたんだけど」

「あたし、女の子しか好きになれないみたい」

ようやく彼女の言うことが少しづつ理解できてきた。妹友ちゃんは自分がレズビアンであることをあたしにカミングアウトしていたのだ。あたしは彼女にかける言葉を脳裏に探りながら彼女の言葉を聞いていたが、そのうち彼女はとんでもないことを言い出したのだ。

「そ、それでね。今あたしが一番気になっていて・・・・・・その、好きなのは委員長ちゃんなの」

え、あたし?

正直予想だにしなかった告白だった。冗談で済ませるならそうしたかったけど、妹友ちゃんの表情は受け流すにはあまりにも張り詰めていたものだった。あたしは、妹友ちゃんに悟られないように心の中でため息をついてから彼女に返事をした。

「心配しないで。妹友ちゃんのことを変だなんて思わないよ」
あたしは妹友ちゃんの目を間真っ直ぐに見ながら返事した。

「でも、あたしは妹友ちゃんの気持ちに応えられないの。ごめんね」
妹友ちゃんの精一杯の告白を受けたからにはいい加減に返事するのは失礼かもしれない。あたしはとっさに正直に自分の気持ちを披露することに決めた。

「あたしね、片思いだけど好きな人がいるの。昔からずっと好きだった人」

「それって女の子?」
妹友ちゃんは予想外の答えにぶつかったかのように困惑した様子であたしに聞き返した。

「ううん、違うよ。男の子。うちの学校の先輩なんだけど、妹友ちゃんは彼氏先輩って知ってるかな」
妹ちゃんの言葉に思わず苦笑しながらあたしは返事した。

「・・・・・・聞いたことあるよ。空手部の人でしょ? よく女の子たちが噂してるもん」
妹ちゃんは気を取り直した様子で返事した。

「そうだね。あいつ、クズのくせに人気だけはあるからな」
よく女の子たちが噂してるか・・・・・・本当に彼女の言うとおりだな。そう考えながらあたしはつぶやいた。

「あたしね、あのクズとは幼稚園の頃からずっと一緒なの」

「幼馴染ってやつ?」

「そうね。あいつは女に手が早いし女の噂が耐えないし、多分あたしなんか女の子として見てないと思うのね」
あたしは自嘲的に言った。

「でも、やっぱりあのクズのこと好きなの。だからごめん」

「うん・・・・・・」
妹友ちゃんは俯き静かに泣き出した。あたしは妹友ちゃんの肩を抱いた。

「これまでどおり友だちでいてくれる?」
あたしはそっと彼女に声をかけた。


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