679:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/11(水) 22:47:52.99 ID:VQBHn/AMo
「・・・・・・うん」
それは、やはり感情の起伏のない平静な声だった。
「やっぱりね。大好きなお兄さんが妹友ちゃんに盗られちゃって寂びしいんでしょ?」
あたしは、そういう感情が特別なことではなくさも一般的な普通の感情であるかのように聞き返した。
「正直寂しい。お兄ちゃんのこと好きだから」
妹ちゃんは相変わらず抑揚のない声で冷静に喋っていたけど、その華奢な小さい手が膝の上でブルブルと震えているのをあたしは見逃さなかった。
あたしは妹ちゃんの肩に手を廻して彼女を抱き寄せた。
「妹ちゃん・・・・・・かわいそうに」
妹ちゃん一瞬ビクッとしてあたしから体を離そうとしたけど、あたしはそれを許さなかった。妹ちゃんの体を自分に引き寄せながらあたしは妹ちゃんに言った。
「もう一人で悩むのはやめなよ」
あたしの腕の中で体を固くしている妹ちゃんにあたしは畳み込むように言葉を続けた。
「前から気が付いていたよ。あんたはブラコンとかそういうんじゃなくて、お兄さんのこと男として好きなんでしょ?」
あたしはついに本人にその言葉を掛けたのだ。
妹ちゃんは静かに泣き始めた。あたしは空いている方の手でそっと妹ちゃんの頭を優しく撫でた。
「全部話してくれる? きっと力になれると思うから」
あたしは精一杯優しく妹ちゃんに囁きかけた。
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