過去ログ - 妹の手を握るまで
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694:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/12(木) 21:49:35.70 ID:X+RsRxlyo
結果だけを話すと、妹ちゃんとあいつは別れた。

妹ちゃんに呼び出されたあいつは待ち合わせのスタバにあたしが一緒にいることに驚いたようだった。

「何でおまえがいるの?」
あいつは混乱した様子で言った。これはあたしにとっては賭けだった。これからしようとしていることを考えるだけで心拍数がヤバイ感じ。
混乱するあいつとドキドキしているあたしを尻目に妹ちゃんはいつものように冷静な表情だった。これから起こることを心配している様子は微塵もなかった。
きっといろいろ吹っ切れたのだろう。あたしの計画に同意するまでは長かったけど一度納得してその気になってしまえばもう迷わないのが妹ちゃんだった。

あたしはあいつに抱きつきあいつの唇にキスした。

「ちょっとおい」
驚いた声であいつはうめいた。妹ちゃんに見られている前であたしに抱きつかれキスされたあいつだけど、あたしを無理に振りほどこうとする様子はなくただ何が起こっているのかわからないで
うろたえているだけのあいつ。

「お願い。あんたのこと好きなの。小さな時からあんたのことだけを見てきた・・・・・・もうこれ以上気持ちを抑えられない」
それは演技でも何でもなくようやく口に出すことができたあたしの真実だった。

「あたしのこと嫌い? 何か言ってよ」
あたし震える声を振り絞った。

「だ、だってよ。いきなりそんな・・・・・・だいたいおまえいつだって俺のことクズとかカスとか呼んでて。俺のこと好きだったってマジかよ」
こいつらしからぬ混乱した声。ひょっとしたら。あたしは希望を抱いた。

「それに俺には妹が」
バツが悪そうに妹ちゃんをようやく気遣うことを思い出したあいつが言った。

「いいよ」
妹ちゃんが静かに言った。

「もう許してあげるよ。先輩が前から委員長ちゃんのこと気にしているのは何となくわかってた」
これは演技? それとも真実なのだろうか。ここまでは事前に打ち合わせなんかしてなかったのに。

「二人とも不器用なんだね。これだけ長い間常に側にいたのにね」
妹ちゃんは言った。その時奇跡が起きた。


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