757:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/15(日) 22:53:11.24 ID:3VXZ2tD9o
「もしあんたが妹ちゃんとお兄さんのことを一言でも誰かに喋ったら・・・・・・」
あたしは静かに微笑みながら言った。自分で考えても嫌な女だったと思うけど。
「・・・・・・どうする気?」
妹友ちゃんは冷静に反応した。彼女はかつてあたしに惚れていたことをもう忘れているのだろう。初めての告白の時のことを。
「あたしはあんたのご両親に、あなたたちのお嬢さんは同性愛者です。あたしも妹友ちゃんに迫られて迷惑してるんですって電話する」
妹友ちゃんの表情が興奮した赤みを帯びた色から蒼白に変った。
「・・・・・・何で、何でそんなこと」
妹友ちゃんはうめくように呟いた。でも、あたしはそれに追い討ちをかけた。
「あと、同級生とか先生とかにも相談する。だってあたしさ、今でも忘れられないほど気持ち悪かったんだよ? あんたに呼び出されて告白されたこと」
・・・・・・あたしは冷静に、というか冷酷に話せていたと思う。最初からそうするつもりだったから。でも胸中は妹友ちゃんへの憐憫と後悔で胸が張り裂けそうだった。
妹友ちゃんは妹ちゃんとお兄さんの秘密を誰にもばらさないこと、お兄さんのことはもう諦めることをあたしに約束した。
あたしの勝利だった。でも少しもうれしい気持ちや勝利感は胸に沸き起こってくれなかった。
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