783:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/16(月) 22:34:36.71 ID:mj48c4a7o
妹友ちゃんが階段に続く鉄のドアを開けその小さな姿を消したあと、あたしは妹ちゃんに電話して全てが終わったことを告げた。
「・・・・・・ありがとう」
妹ちゃんは小さな声で言った。
「まあ、けしかけたのはあたしだから」
妹ちゃんはどうやって妹友ちゃんを説得したのか聞かなかったし、あたしにもそれを話す気はなかった。
妹ちゃんとお兄さんの中では、お兄さんを愛していた妹友ちゃんにひどいことをしたという記憶が後味悪く残ってしまうだろう。
妹友ちゃんは妹ちゃんに先輩を盗られた復讐のためにお兄さんを誘惑したんだよ。そう言ってあげれば妹ちゃんとお兄さんの心の負担は軽くなるだろうけど、あたしにはそこまで出来なかった。
最初の動機はどうあれ、妹友ちゃんは本気でお兄さんのことを愛したのだ。もうこれ以上妹友ちゃんを貶すことはできなかった。
あたしには妹友ちゃんの身勝手な行動への嫌悪感がまだ残っている。でもそれ以上に自分が妹友ちゃんにしてしまったことへの罪悪感と後悔の方を今では大きく感じていた。
・・・・・・妹友ちゃんとお兄さん、それにあたしも妹友ちゃんにしたこの仕打ちをずっと後悔しながら生きていくしかないのだろう。
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