過去ログ - 妹の手を握るまで
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814:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:00:36.79 ID:/yleCiHto
前兆みたいなことはあった。相変わらず両親不在の夜、あたしは先輩に呼び出され遊びに行く支度をしていた。

先輩と付き合い出してから、あたしはよく夜に外出するようになっていた。両親は不在でそれを咎めることはなかったし、お兄ちゃんはあたしが外出しようがリビングで黙ってテレビを見ていようがどちらでもいいようだった。

今までずっと一人で夜を過ごしてきたしそれに慣れてもいたけど、一度夜先輩や友だちと一緒に騒ぐ楽しさを覚えるとやはりそれは一人でテレビを見ているよりは気が晴れた。
何よりお兄ちゃんを忘れようとして先輩と付き合ったのに、それも妹友ちゃんや委員長ちゃんの想いを壊してまでそうしたのに、夜家にいるとお兄ちゃんのことを忘れることができなかったから。


お兄ちゃんがこもっている2階の部屋のドアがたまに開く音がすると、あたしはびくっとして少し期待して階段を眺める。お兄ちゃんがリビングに来るのかもしれない。

お兄ちゃんは飲み物を取りにあたしのいるリビングを通ってキッチンに向かう時もある。そしてお兄ちゃんがあたしの横を黙って通り過ぎると、あたしは溜めていた息を吐き出してやっぱり一言も口をきいてくれなかったなと落胆する。

こんなことをしていたらお兄ちゃんのことを忘れるどころではなかった。それであたしは自分から言い出すことはなかったけど、先輩や女の子たちに誘われればなるべく夜の街での遊びに付き合うようにした。

お兄ちゃんはあたしが夜出かけても全く気にしていなかったし。


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