819:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/18(水) 22:18:15.73 ID:/yleCiHto
その夜のカラオケの様子なんて全く覚えていない。ひたすら考えていたのはお兄ちゃんが始めて示してくれたあたしへの関心や優しさ、そしてそれに対して考えうる限り最悪の態度を取ってしまった自分についてだった。
あたしはお兄ちゃんのことを諦めようとしていたけど、お兄ちゃんにこんな些細な好意を示されただけで動揺するほどお兄ちゃんのことをまだ想い続けていたんだ。
冷静に考えればただお母さんに言い使ったお兄ちゃんがいやいやあたしを迎えに来ただけかもしれないけど、それでもこんなことは初めてだった。
あたしはこれ以上この騒がしい場所にいることが耐えられなくなった。早く帰ってお兄ちゃんに今日の態度を謝ろう。たとえお兄ちゃんが許してくれなくても再び無関心な関係に戻ってしまうにしても。
しつこくあたしを引き止める先輩を上手に宥めて、あたしをカラオケの出口に連れて行ってくれたのは妹友ちゃんだった。あたしは妹友ちゃんにお礼を言った。
その時、妹友ちゃんが気軽な口調であたしに言った。
「あのさ、よかったらお兄さんのメアド教えてもらってもいい?」
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