852:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/20(金) 22:25:38.97 ID:Ohn7E77eo
次の日の放課後、あたしは妹友ちゃんを連れてお兄ちゃんが寝ている自宅に帰った。
正直に言うと、妹友ちゃんのお兄ちゃんへの関心はすごくあたしを不安定にした。アドレスを教えるだけでもすごく辛かったし、ましてお兄ちゃんのお見舞いをしたいと暗に持ちかけてくる妹友ちゃんの頼み方も気に障った。
でも、あたしには前科がある。妹友ちゃんの気持ちを知りながらそれを無視して先輩を奪ったこと。
その負い目を考えるとあたしには妹友ちゃんを突き放すことは出来なかったし、妹友ちゃんもそれを承知であたしにいろいろ言ってきている感じもしていた。
「妹友ちゃん、うちのお兄ちゃんのこと好きなの?」
あたしがついに我慢できずにそう聞くと妹友ちゃんは待っていたかのように恥ずかしそうな笑顔を浮かべて答えた。
「わかんないけど・・・・・・何か気なるっていうか」
「そうか。先輩のこと吹っ切れた?」
あたしにはそれが気になっていた。
「うん」
妹友ちゃんはすぐに答えた。この言葉には嘘はないのだろうと何となくあたしは感じた。
「妹ちゃんと先輩のツーショットを見ているのって正直辛かったけど、でも今は気にならない」
・・・・・・考えすぎかもしれないけど、妹友ちゃんがあたしに貸しを返せと言っているように思えてあたしは黙り込んだ。
「自分でもよくわかんないんだけど、今は妹ちゃんのお兄さんのことが気になる」
妹友ちゃんははっきりとそう続けた。
「・・・・・・今日、うちに来る?」
あたしは負けた。
「いいの?」
妹友ちゃんは白白しくにっこりとしながらあたしに聞き返した。
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