過去ログ - 妹の手を握るまで
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877:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/21(土) 23:09:40.49 ID:Fm8w6/Rho
案の定あたしの作業は20分以内には終了しなかった。妹友ちゃんは自分の作業を終えて手持ち無沙汰に友だちと何か話をしているようだった。
本当は妹友ちゃんにこれをお願いするのは嫌だったんだけど、今日こそはお兄ちゃんと一緒に帰りたかったあたしは妹友ちゃんにお願いした。

「妹友ちゃん」

「終わった?」
彼女は話を中断して振り向いた。

「ううん、ごめん。あと15分くらいかかりそう」
あたしは正直に言った。

「そうか。お兄さんをお待たせしちゃうね」
妹友ちゃんは何気なく言った。

・・・・・・何気ない言葉なんだろうけど、あたしが心配していることと同じだった。今日も来ないのかと思っていきなり帰ってしまっても不思議ではないのだ。あたしとお兄ちゃんのこれまでの関係を鑑みれば。

「妹友ちゃん、悪い。先に校門に行ってお兄ちゃんの車に乗ってて」
あたしは妹友ちゃんにお願いした。

「もうすぐ終わるので少し校門前で待っていてって伝えてくれる?」

妹友ちゃんはすぐに頷いた。

「うん、わかった。じゃあ早く来てね」
それまで話をしていた子を置き去りにして彼女はすごい勢いで教室を出て行った。置き去りにされた子はポカンとして開けっ放しのドアを見つめていた。


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