過去ログ - 妹の手を握るまで
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940:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/24(火) 23:07:20.27 ID:RrfoawJyo
・・・・・・遠くで音がした。
玄関のドアがきしんで開くと音。酔っ払っているのか不規則であちこちにぶつかりながら階段を上って来る音。

あたしは眠りから覚め、近づいてくる音に耳をすませていた。玄関のドアには鍵をかけていたので、その物音はお兄ちゃんだった。
もうお兄ちゃんの部屋からそうっと抜け出せる段階は過ぎてしまっていた。

あたしは覚悟を決めた。お兄ちゃんにちゃんと謝ろう。許してくれなくても仕方ない。あたしのわがままに付き合って一度家に帰ってくれたお兄ちゃんにとにかく謝ろう。
そう考えたけど、もう鬼ちゃんに見つからずにベッドから出るタイミングは完全に逸していた。しかも悪いことにあたしは下着しか身につけていないのだ。

もうどうしたらいいのかわからなくなったあたしは、ベッドに入ったままお兄ちゃんのフラフラとした足音がドアの前で止まり、お兄ちゃんがドアを開けて部屋に入ってくるのを感じていた。


やがてお兄ちゃんは自分のベッドに毛布に包まったあたしが寝ているのを見つけたようだった。

「おい」

「おい!」

「妹、起きろ!」
あたしは必死で寝た振りをした。謝るにしたって勝手にお兄ちゃんのベッドに寝ていた状況ではまずい、
あたしにはどうしていいかわからず寝ているふりを続けるしかなかった。


突然お兄ちゃんの手があたしが包まっている毛布を剥いだ。
お兄ちゃんの目にはほぼ裸に近い格好でお兄ちゃんのベッドに横になっているあたしが見えてしまったはずだった。

その時突然お兄ちゃんがベッドに入ってきた。横たわって寝た振りをしているあたしの隣にまるであたしに添い寝するように。
あたしはすぐにでも死んでしまいそうなほどドキドキしていたけれど、何とか身動きせずに寝たふりをしていた。


「・・・・・・妹?」
あたしの隣に寄り添ったお兄ちゃんは妙に静かな口調で寝ているあたしに話しかけた。あたしが本当に寝ているのか確かめるかのように。

「本当に寝ちゃってるのか?」

その時、あたしの剥き出しの太腿に冷たい感触があった。お兄ちゃんの手だった。
その手はあたしの身体を確かめるように静かにあたしの脚を上下に撫で回してから、少し力を込めてぎゅっと握るような動きを繰り返した。
そのままその手は身体を這い上がって脇腹や背中を愛撫するように撫でたりつねったりした。

・・・・・・あたしは凍りついたようにじっとしていた。初めて男の人に身体を触られる恐怖と恥ずかしさと、それから少しだけその手がお兄ちゃんの手であることから来る変な安堵と。
避けようとか嫌がるとかそういう考えは全く浮かばなかった。でも、ただひたすら怖かったあたしは身体を硬直させてお兄ちゃんの手の動きを感じ続けていた。

その手はいきなりとまり、そして次の瞬間あたしはお兄ちゃんの両手で引き寄せられお兄ちゃんの腕の中に収まっていた。
あたしは少し震え次に来ることを待ち構えたけど、結局その後には何も起こらずお兄ちゃんはそのまま眠ってしまったようだった。

ようやく身体を縛っていた何かがはずれたように、既に寝息を立てているお兄ちゃんにあたしは必死で抱きついた。
ほとんど裸に近い格好だったのに。


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