過去ログ - 妹の手を握るまで
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944:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/25(水) 22:37:32.70 ID:WrmlNkbKo

その夜あたしはお兄ちゃんの腕の中で眠れない夜を過ごした。お兄ちゃんの息からはお酒の匂いがした。
3時頃、あたしはなるべくそっとお兄ちゃんの腕の中から抜け出した。お兄ちゃんを起こしたらどうしようと心配だったけど、着替えもせずに熟睡しているお兄ちゃんは全く起きる気配もなかった。

寝ているお兄ちゃんに毛布をかけた後、自分の部屋に戻ったあたしは自分の部屋のベッドに入ってさっき起きた出来事を思い返してみた。その頃には大分落ち着いてきていてあの時強く感じた恐怖や羞恥はもう姿を消していたけど、戸惑いだけはあいかわらずもや
もやと胸の中に滞留していた。

お兄ちゃんがあたしの身体を撫で回した。そのことには一体どんな意味があるのだろう。
ひょっとしてお兄ちゃんはあたしのことを本当に好きなのだろうか。最近お兄ちゃんとの仲が急速に改善して距離が縮んでいることを考えるとその可能性もあながち否定できないとあたしは思った。
一方であれは酔った上での出来事だし、何の気なしにということも考えられた。また、あたしのことが好きなのではなく単に女の子の肌に触りたかっただけということもあるかもしれない。
この間の会話でわかったことだけど、お兄ちゃんは今まで彼女がいたことはないそうだ。そんなお兄ちゃんのベッドで肌を露わにした女の子が誘っているように横たわっていればいくら妹とはいえ身体くらい触りたくなっても仕方ないかもしれない。
しかもお兄ちゃんは相当酔っていたようだし。

一方あたしはと言えば、お兄ちゃんに素肌を触られたことによってお兄ちゃんに嫌悪感を抱くとかそういう負の感情は一切なかった。驚いたことは確かだったけど、それがお兄ちゃんの手だとわかっていたから拒否しようなんて夢にも思わなかったのだ。
ただ戸惑いはあった。振り向いてもらえないと思い込んでいたお兄ちゃんと最近は急速に親しくなったのだけど、さっきの出来事は急すぎた。もしお兄ちゃんがあたしのことを異性として恋愛の対象として見ているのだとしたら。
あたしにはまだ十分な心の準備がなかったのかもしれない。肩を抱かれ寄り添って一晩過ごしたことだけでもあれほど幸福を感じたあたしだったけど、何かさっきの愛撫は少しそういう幸福感とは違った影響をあたしの心に及ぼしていた。

それは率直に言えば性愛ということであり、そういう経験のないあたしにはそれをどう取り扱っていいのかわからなかったのだ。


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