過去ログ - 妹の手を握るまで
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957:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/26(木) 22:13:51.53 ID:1OhvfVmto
これまで必死にお兄ちゃんを求めてもがいていたあたしがこんなに余裕を持ってお兄ちゃんと接することができたのは、別にお兄ちゃんに身体を求められたからじゃないと思う。
身体を武器にお兄ちゃんを誘惑するなんて考えるほどあたしは自信過剰じゃなかった。妹友ちゃんみたいに女らしい体つきをしているわけじゃないし。

むしろ昨日の夜のできごとをお兄ちゃんと話し合ったことがあたしの中では大きかった。お互いにお互いの感情を手さぐりで模索していた段階は終わり、お兄ちゃんはあたしの身体を触ったことを誤魔化さず否定もしなかった。
そしてあたしも、その愛撫がお兄ちゃんだったから嫌じゃなかったのとお兄ちゃんへの好意を生まれて初めて剥き出しでぶつけることができたのだ。

今でもあたしには将来への不安がある。お兄ちゃんは事実としては認めたけれども、その動機があたしへの好意だと言ったわけではない。
あたしにしても、お兄ちゃんを諦めるために付き合い出した先輩との関係を清算したわけではない。この先どうなるのかは全く目隠しされていて何にも見えていなかったのだ。

それでもあたしには焦燥感はなかった。いろいろ不安を感じる様子はあったけど、今のあたしはお兄ちゃんと二人きりでいるだけで幸せだった。そしてお兄ちゃんも多分・・・・・・。
これはあたしたち兄妹に許された一瞬のモラトリアムに過ぎないのかもしれない。それでもあたしの心は軽かった。

気軽にお兄ちゃんに話しかけられる喜び。
お兄ちゃんにわがままを言い、お兄ちゃんがそれをしぶしぶながらも聞き入れてくれる喜び。
今までのように遠慮しながらお兄ちゃんの後姿を眺めていなくてもいい関係になれた喜び。

今のお兄ちゃんならあたしの無様なところ、醜いところ、嫉妬深いところ、その全てをあるがままに受け入れてくれるような気がした。


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