過去ログ - 妹の手を握るまで
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959:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/26(木) 22:19:00.16 ID:1OhvfVmto
お兄ちゃんと湘南でデートしたその夜、あたしはお風呂上りに再びお兄ちゃんの部屋に行った。もうあまりお兄ちゃんに遠慮しなくなっていたのだ。

お兄ちゃんが妹友ちゃんへのメールの返信を忘れているようなので、返事するように催促しながらあたしは勝手にお兄ちゃんのベッドに座ってテレビをつけた。
何をしても愛する人に拒否されることはないという心地よい安心感。

お兄ちゃんは短くメールの返信をするとあたしを部屋に残してお風呂に向かった。

お風呂上りのお兄ちゃんが部屋に戻ってきた時、あたしはテレビのバラエティ番組を見ていた。


「なあ」
お風呂上りのお兄ちゃんは髪の毛をバスタオルで拭きながら言った。

「うん。あ、お兄ちゃんお風呂スイッチ切ってきた?」
お兄ちゃんはよくスイッチを切り忘れるのだ。あとこの後お風呂の掃除もしなければいけない。いつもならそれを次の日に廻すことなんて考えられないんだけど、今日のあたしは一歩だってお兄ちゃんの部屋から出て行くつもりはなかった。

「切ったよ。おまえ、まだ寝ないの?」

「もうすぐ寝る」
あたしは答えた。

「今日もここで寝るから」

「・・・・・・はい?」

「お母さんたちいないし」

「母さんたちいる時だって一人で自分部屋で寝てるじゃん」

「でも、昨日もおにいちゃんの部屋で寝たし」

「あのさ」

「うん」


その時予想外の嬉しい言葉がお兄ちゃんの口を飛び出した。

「俺だって男だし。妹とはいえおまえだって可愛い女の子なんだしさ」

「え?」
可愛い。お兄ちゃんはあたしのことを可愛いって言ってくれたのだ。

「また昨日みたいなことしちゃうかもしれないぞ」

あたしが可愛いから兄としてでなく男として我慢できないということ?
あたしはもう一回お兄ちゃんにあたしのことが可愛いと言わせたかった。

「・・・・・・もう一回言って」
あたしは真っ直ぐお兄ちゃんを見た。もう曖昧な言葉は言わせない。

「へ? だ、だからおまえの体を」

「そこじゃない。あたしだって、ってとこ」

「おまえ、その、か、可愛いし・・・・・・」
お兄ちゃんは顔を赤くし困惑したようにぼそっと言った。


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