過去ログ - 妹の手を握るまで
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982:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/28(土) 21:32:29.56 ID:OgGbePyto
あたしが帰宅した時間はそんなに遅い時間ではなかったけれど、あたしがお兄ちゃんの部屋を覗くとお兄ちゃんはもう眠ってしまっているようだった。
あたしはしばらくお兄ちゃんの寝顔をじっと見詰めた。もう迷いはなかった。ここ最近お兄ちゃんを避けていたことを謝ろう。先輩のこととか妹友ちゃんのこととかいろいろ心の中で整理できてはいないけど、とにかくお兄ちゃんと仲直りがしたかった。

17年間ほとんど無関係に生きてきたあたしたちだったけど、最近お兄ちゃんとの仲が接近した後だけに、ここ数日お兄ちゃんと話ができないだけであたしはもうぼろぼろだった。勝手にお兄ちゃんを避けたそのあたしがもう限界なのだ。
我ながら自分勝手な女だと思うけどそれが正直な気持ちだった。

このままお兄ちゃんのベッドに潜り込もうと思ったけど、何とかそれを思いとどまってお風呂に入って着替えるくらいの理性は保てていた。
あたしはお風呂を出て手早く下着だけを身につけるとどきどきしながら再びおにいちゃんの部屋に入り、そうっと眠っているお兄ちゃんの隣に横たわった。寝相が悪いせいかはだけている毛布をあたしとお兄ちゃんの上にかけなおす。

今夜はもうこれでいい。
お兄ちゃんの体温と息遣いを身近に感じたあたしにようやく安堵感が訪れた。こんなに落ち着くのは久しぶりだった。


「おやすみ、お兄ちゃん」
あたしはそっと寝ているお兄ちゃんに言った。
なるべく低い声で言ったつもりだったけど、お兄ちゃんはもぞもぞと身じろぎし目を開けた。

「え?」

「あ、お兄ちゃん起こしちゃった?」

「おまえ・・・・・・ここで何してるの?」
お兄ちゃんは困惑していた。

「お風呂入ったしもう寝ようかと思って」

「しかも、また下着だけしか着てねえし」

「お風呂上りは暑いから」
もちろん今夜はそれだけの理由ではなかった。
あたしは自分の貧相な裸をお兄ちゃんに見てもらいたかったのだ。それは今まで感じたことのない不思議な心の動きだった。

「・・・・・・おまえ、しばらく俺の部屋で寝てなかったじゃん」
そう言われても仕方がなかった。

「・・・・・・ごめん」
あたしは今こそきちんとお兄ちゃんに謝ろうと思った。

「いや、そこで何で謝る」

「この前、お兄ちゃんに、その」
あたしは恥ずかしかったけど思い切って話し始めた。
お兄ちゃんはあたしの話を黙って聞いていてくれた。

「その、お兄ちゃんに体を撫でられて・・・・・・」

「あんなに声とか出しちゃって。変な女だと思ったでしょ」

「・・・・・・あたしのこと嫌いになったでしょ」
あたしはもう泣き出しそうだった。自分が嫌らしい女であることを大好きなお兄ちゃんに告白しなければいけないなんて。
でも予想に反してお兄ちゃんの声には嫌悪感はなく、むしろ心底戸惑っているようだった。

「はあ? 何言ってんのおまえ」

「あの時・・・・・・体が熱くなって、何かむずむずとして。気がついたら声が出ちゃってて」

「・・・・・・それ、普通なんじゃね?」

「うそ。あたし、どこか変なのかなと思って」

「あのさ。女性経験の少ない俺だってそんな誤解はしねえぞ」


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