過去ログ - 妹の手を握るまで
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984:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/28(土) 21:37:47.13 ID:OgGbePyto
それは根源的な問いかけだった。何となく一緒にドライブするとか何となく体を触らせるとか何となく一緒に寝るとか。
そんな曖昧な兄妹の関係をはっきりと定義させるようなそういう質問だった。
この質問への答え方次第であたしとお兄ちゃんの関係が変化するだろう。お兄ちゃんは今まで曖昧にしてお互いの心を探り合っていた関係をはっきりとさせようとしていた。
あたしのお兄ちゃんへの長い片想いもこの後の数分で決着が付くのかもしれない。
そしてここまではっきり聞く以上、お兄ちゃんがあたしのことをどういう風に考えているのかもわかるだろう。

でもあたしはあまり慌てなかった。これまで一度もお兄ちゃんに嘘を言ったことはない。今までと同じく素直に自分の考えを言うだけでいいのだ。その結果がどうだろうと。

「うん。好き」
あたしは短く答えた。短いけれど万感の想いを込めて。
でもお兄ちゃんはそれでは納得できないようだった。

「だから少しは考えてしゃべれよ。俺の聞いてる好きはそういうんじゃなくてさ」

「うん?」
あたしは聞き返した。

「よ、よし。わかりやすく言うとだ」

「うん」
あたしはおにいちゃんの言葉を待った。お兄ちゃんが何を知りたいのかよくわからなかったけど。

「要するにだ。俺とおまえの彼氏と、おまえはどっちの方が好きなんだよ」
何だ。こんな簡単な質問か。あたしはすぐにその簡単な質問に答えた。

「お兄ちゃんの方が好き」

「へ?」
お兄ちゃんは面食らったようだった。

「彼氏よりお兄ちゃんのほうが好き」
あたしはもう一度念押しした。

「あ、え〜と。とりあえず落ち着こうか」

「・・・・・・わかった」
とりあえず素直にそう答えたけど、もう既にあたしは落ち着きを取り戻していた。

「じゃさ、おまえは何で彼氏と付き合ってるの?」
お兄ちゃんが聞いた。これは答えやすい質問だった。

「付き合ってくれって言われたから」
嘘ではない。でもお兄ちゃんを忘れるためというところまでは話さなかった。

「・・・・・・おまえは付き合ってくれって言われれば嫌いな相手とでも付き合うのかよ」

「彼のことは嫌いじゃないし」
これも本当。

「おまえさ」

「うん」

「今まで、俺のことなんか無視してたじゃんか。1月くらい話しなかったことだってあったしさ。何で最近になって俺と一緒に寝たりとか、その・・・・・・身体を触らせたりとかするの?」
質問の意図がよくわからない。それにそろそろあたしは待ちくたびれていた。お兄ちゃんはあたしのことを、最近あたしと一緒に寝るようになったことをどう考えているのだろう。

「お兄ちゃんの言ってることよくわかんないけど」

「はあ?」

「だって、お兄ちゃん、これまであたしにそういうことしなかったじゃん」

「な、何てこと言ってるんだよ。じゃあ、去年とかにおまえを触ってたら」

「それでも別によかったのに」

「な、何言ってるんだ」

「・・・・・・今日一緒に寝ていい?」
あたしは少しがっかりして話を変えた。お兄ちゃんにはなかなかあたしの真意が伝わらないし、お兄ちゃんが何を考えているのかもよくわからなかった。

「あのなあ」

「今日もあたしの身体触るなら、恥ずかしいから灯り消してね?」
あたしは思い切って誘った。こんな会話を続けていたら朝になってしまう。それに正直に言うとあたしの体の奥が何か熱く痺れているような感覚があり、つまりあたしはお兄ちゃんの愛撫を期待して体がその期待に反応してしまっていたのだ。


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