過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/01/26(木) 23:30:39.91 ID:xQwpJrUv0
当然ながら、背中から血を流した女の子が自らステイルの背丈よりも高い大ジャンプをした訳ではない。というか、2m越えの跳躍をする女子は異常だ。
つまり、インデックスは誰かに放り投げられた可能性が高い。そして、この場に居る3人のうち、そんな大それたことが出来る奴はただ一人。
「土御門…!」
その投げた当人はというと、突進してきた魔術師の視界から外れた位置、つまりは彼の足元に向かってスライディングしてきた。器用に足を躱しながら。
なおかつぶん投げた女の子を滑り込みながらも見事キャッチしていた。どこかの地方の曲芸大会であれば入賞間違いなしの出来栄えではある。
しかし、これはあくまで実戦。魔術師同士がそれぞれの覚悟の元に戦う血生臭い戦場なのだ。こんな小細工は二度と通用しないだろう。
その戦場たるこの通路では、今まさに殺気を惜しげも無く放っている魔術師が、擦りあわせた歯が欠けそうなまでの力で歯軋りを立てていた。
「貴様、そんな状態の彼女に向かって何て馬鹿な真似を…!」
「ん? 敵さんは随分とお優しいのだな」
「ぐっ…」
しかし、白い少女の敵たる男の心情が見て取れる土御門からすれば、口論の上ではステイル=マグヌスなど怖くも何ともなかった。
そもそも土御門やステイル、そしてインデックスが所属している『必要悪の教会』は、魔女狩りや異端審問などの汚れ仕事を源流とする部署である。
つまり、インデックスのような例外を除けば、メンバーはもれなく尋問を得意とする審問官なのである。当然、ステイルや土御門も異端審問官だ。
だが、異端たる魔術師を物理的に排除する術ならばともかく、言葉を使っての尋問であれば土御門元春の方が一枚も二枚も上手と言える。
それは、スパイがスパイである所以みたいなものだ。現場でゴミを処理する人間より、現場に何年も潜りこむ工作員の方がそういう面では優れている。
しかも、なまじ同じ組織というだけあって、内情を知り尽くしている土御門である。魔術での戦闘ではなく言葉のぶつけ合いならば負けることは無い。
「舐めた真似を…! …やはり、味方だとはいえ念のために下準備をしたのは間違いではなかったようだね。敵地では油断ならない」
「なるほど。ここは貴様にとっては敵地だからな」
「君にとってはもうホームかな?」
「さて、どちらだろうな」
ここに来て、土御門元春がずっと浮かべていた表情が消える。薄っぺらな笑みが変化し、喜怒哀楽がまったく読めない顔、つまり無表情になっていた。
だが、その表情は完全な無ではない。どこか真剣さを帯びつつも、サングラスの奥の瞳からはフィルター越しに強い意志を感じる。そんな表情だった。
対峙するステイルもその変化に気がついたのか、今まで全面に出していた怒りを鎮める。そして、ただ冷酷さしか感じられない殺人者の表情をする。
音源だった炎が虚空に消え、静まったマンションの通路で、それぞれの術を極めた2人の天才が戦場を相手の血で染めるべく算段を整える。
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