過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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140: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2012/02/14(火) 04:06:39.34 ID:bswlQR1P0

「がはっ…! クソ、こんな手で…」

「休んでる余裕があるのか?」

「なっ!?」


スプリンクラーからの放水が集約から拡散へとその姿を戻しても、ステイル=マグヌスが息をつく間は無かった。そんな暇を与えはしなかった。
トラップの魔術を解いた土御門元春は、今度は攻撃を異能から白兵戦に変え、目の前の巨人を襲い始めた。まずは鼻っ柱を拳一閃。
グギャ、という変な音と魔術師の口から漏れた呻き声がマンションの壁や天井、湿った床などに反射し、放水の音に紛れて聞こえてくる。


「がっ!? ……くぅっ!」

「ほらほら。ボーっとしてていいのかぁ?」


相手の体勢が整わないうちに、次の攻撃に移る土御門。今度はよろけた少年の赤い髪を左手を伸ばして乱暴に掴み、その身体を引き寄せる。
そのまま床へ引っ張られる顔に対し、下から土御門の右膝が迎えにくる。一度手首を捻って引っ張られ上向きになったステイルの顔だ。
土御門が放った膝蹴りは自然と彼のアゴにヒットすることになった。脳みそがシェイクするような気持ち悪さと激痛がステイルを襲う。


「ぐっ、ああああ!!!」


もう土御門は彼に声をかけることもしなかった。髪を掴みながらも一旦間合いを取り直す彼の表情には、一切の喜怒哀楽が削除されていた。
ステイルは先ほどの水流攻撃で吐き気や不快感を覚えているのに加え、人体の急所ばかりを執拗に狙う攻撃に対して、反撃の糸口が掴めない。
というより、反撃するための手立てを考えることが出来ないのだ。土御門元春による数々の攻撃は、確実に彼の思考能力を奪っていた。
これではもう、魔力を練ることなど出来ない。これではもう、魔術を組み立てることなど出来ない。もはやそんなことも考えられなかった。
しかし、それが分かっていても土御門は攻撃の手を緩めたりしない。












『ぐちゃり』





強烈な激突音に紛れて、ステイル=マグヌスの耳に入ってくる聴覚情報。次の瞬間、彼の後頭部をこれまで体験したことも無い激痛が襲ってきた。



「があああっ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーっ!!!!」



今度の叫び声は、スプリンクラーの音などいとも簡単に掻き消してしまった。



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