過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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3: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/08(木) 00:07:42.52 ID:LKoMR9wE0

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そして七月二〇日。
空は青く澄み渡り、夏の長期休暇の始まりを祝福しているかのようだった。
今日から夏休みだ、と羽目を外そうとしている学生も多くいるが、そうでない人間だっている。
例えば、


「うだー。今日からまたしんどくなるぜい…」


とある何の変哲もない学生寮に住んでいる土御門元春もその一人だ。
生粋の日本人のくせに髪は金色、服装はアロハシャツに短パン。見た目は不良そのものだ。
部屋にはジム用のトレーニング機器があり、棚には外出時に身に着けるサングラスやネックレスがある。
チャラチャラしてはいるがそこらの不良よりは体を鍛えている印象を受ける。

ところでなぜ彼が七月二〇日を嫌っているかというと、こちらもあまりに単純な理由によるものだ。
高校生にもなると、成績が振るわない者は夏休みと同時に補習という余計なモノまでセットで始まってしまう。
土御門もまたその余計なイベントへの参加が決定してしまっていたのだった。
そんな不名誉な長期休暇のスタートでは、彼の気分が優れないのも当然と言えよう。


「まったく…。オレだって好きで補習受けてるんじゃないんだぜい。頼むぜカミやん」

「あーあ。せっかくの夏休みだってのに、これじゃ舞夏と一緒にいる時間が減っちまうな」

「…しかも、もうそれどころじゃない事態になりつつあるみたいだし」

「はぁ。こりゃアレだな。完全に…」

<不幸だ―――っ!!?

「…お互いにな、カミやん」


隣人のいつも通りすぎる嘆きに、土御門は思わず頬を緩めだ。
おそらく昨日の落雷による停電で、電化製品がほとんどやられてしまったのだろう。
…それは土御門宅でも同じことが言えそうなものだが、おそらくあちらは相当不幸なはずだ。
何せ、生まれつき神の加護やら運命の赤い糸やらから見放されているのだから。



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