136: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/17(土) 19:48:33.65 ID:WQRy4XBgo
その日の播磨のアルバイトは、夜の病院での清掃アルバイトだ。
市内にある病院だが、建物が新しい割に夜中女の子の泣き声が聞こえたり、
誰もいないのに勝手にドアが開いたりする、といった怪奇現象の噂が多い。
この街自体、オカルトな話題が多いだけにそこの病院に妙な噂がたっても不思議ではないと
彼は思う。
ただし、播磨自身が直接出入りしている限りは“そういうもの”を見聞きしていない。
(やはり何かの見間違いだよな)
そんなことを思いながら、彼は病院の清掃を行っていた。
掃除も終わりに差し掛かったところで、休憩室に人影がいることに気がつく。
面会時間も終わっており、患者も病室から出歩くのはあまり好ましくないとも聞いている。
「誰かいるのか?」
播磨は掃除道具を持ったまま、休憩場所に入る。
「え?」
人影は振りかえる。
髪は短く、見た所中学生くらいの少年のこのようだ。
「そろそろ戻らねェと、看護婦さんとかに怒られるんじゃねェのか?」
「あ、すいません」
右腕に痛々しい包帯を巻いた少年は、そう言ってイヤホンを外す。
よく見ると、彼の手元にはCDプレーヤーが見えた。
「音楽、聞いてたのか」
「ええ、幼馴染が買ってきてくれるんですよ、色々と」
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