156: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/18(日) 19:29:28.90 ID:+zrhUEmho
この日もアルバイトの時間は単調に過ぎて行った。
ここ最近、暇な時間は全て漫画を描くか、もしくは絵の練習をしていたので、
この街における謎については、忘れかけていた。
(むしろそっちのほうがいいのかもしれねェのかな)
播磨はぼんやりとそんなことを考える。
あれから手掛かりはゼロ。
違和感はあるけれども、目立った事件などは起きていない。
だいたい、普通に高校生活を送っていればいいのに、わざわざ危険性のある事柄に
身を投じる必要もないのだ。
謎を解決して、まどかを安心させるよりも、別の方法で彼女を楽しませたほうがいいのではないか。
むしろ、そっちのほうが自分に向いているのではないか。
頭の中でグルグルと思考を巡らしながら、播磨はバイトを続ける。
そして、バイトも終わりに近づいた頃、また休憩所で、入院患者の少年が音楽を聞いていた。
「よう坊主、また会ったな」
播磨は、その日出版社で漫画を褒められたため、少し上機嫌だったので思わず声をかけてしまう。
「あなたは……」
少し疲れた顔の少年がそう言って、耳からイヤホンを外す。
「イヤホンは耳に悪いって、言われなかったか?」
「病院内でスピーカーは使えないですからね」
「そりゃそうだ」
そう言って播磨は笑った。
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