166: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/18(日) 19:36:44.58 ID:+zrhUEmho
日曜日の街は静かなものだ。
日も高く上りはじめ、さわやかな水気を含んだ朝の空気が次第に暖められ、
昼間の顔色を見せ始める。
なんというか、朝と昼との境界線上に立っているようで播磨は少しだけ嬉しくなる。
変り目というのは、なにか心を変化させるものだろう。
とはいえ、昼過ぎまで寝ているつもりだった彼が街に出たところで行く所もあるわけではない。
書店に行っても、三時間も四時間も時間が潰せるわけはないのだ。
というわけで、結局いつもの公園で時間をつぶすことにした。
かつて所轄の刑事と話をした中央公園である。
(こんなとき、まどかと出会ったらどんな話をしようか)
播磨は、都合の良い偶然を頭の中に描きながら、小さく鼻歌を歌う。
「あら、播磨さん」
「!!」
不意に、どこからか声が聞こえてきた。
確実に自分の名前を呼んでいる。
(誰だ?)
播磨は、少し身構えて後ろを振り返る。
「お久しぶりです」
そこには、見滝原の制服ではなく私服姿の巴マミがいた。
やや黄色がかったカーディガンとベージュのロングスカートが、制服姿よりも少し
大人っぽく見える。
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