175: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/18(日) 19:46:12.98 ID:+zrhUEmho
携帯電話のデータフォルダの中に、子猫のエイミーを抱いたまどかの画像があった。
ちなみにそれは、パスワードを入れないと見れないような仕組みにしてある。
その画像を、彼はしばらく眺めていた。
(こんな時に何を見ているんだろう、俺は)
よく考えて見れば、播磨にとって女性宅に入るのは小学生の時以来である。
しかも独り暮らし。
播磨とマミの二人以外誰もいない空間。
(待て待て、これはチャンスじゃねェか。あの夜のことを聞きだす重要なチャンス。
ここなら、誰にも邪魔はされねェはずだ)
播磨は遠まわしに聞くか、それとも単刀直入に聞くか考える。
だが、決して口が上手いほうではない播磨にとって、婉曲に聞く方法など望むべくもなかった。
(素直に教えてくれるとは思えねェが、強引に聞けば……)
そんなことを考えているうちに、マミがお盆を持って居間に現れる。
「お待たせしました」
「……」
微かに食器のぶつかり合う高い音や、紅茶を注ぐ音が室内に響く。
ふっと、高温のお湯に蒸らされた紅茶の葉の香りが鼻を刺激した。
「ダージリンか……」
「あら、よくご存じで」
「うちのお袋がたまに飲んでたからな」
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