188: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/19(月) 20:45:53.57 ID:b+lQC6nqo
播磨は、恐る恐る声をかけてくる制服姿の少女にはっきりと言った。
「すみません。あの、どうしてもお会いしたい方がいまして」
中学生にしては妙に上品な喋り方をする少女だと播磨は思った。
「ん?」
やや、ウェーブがかった長い髪の少女がそう言って頭を下げる。
「何だってこんな時間に」
「本当に申し訳ございません。習い事などが多く、早い時間にここを訪れることが
できませんでして……。規則違反であることはわかっております。すぐに出て行きますので――」
必死に謝る少女の言葉を遮るように、播磨は声をかける。
「それで、誰のところに行きてェんだ?」
「え?」
「少し会って、話をするくらいなら大丈夫だろう」
「本当ですか?」
「ほんの少しだけどな」
「ありがとうございます、親切な方」
「大したことじゃねェよ。病院の職員に見つかるとマズイからさっさと行くぞ」
「あ、はい。あの」
「あン?」
「私、志筑仁美と申します。見滝原中学の二年生です」
「そうかい。俺は播磨拳児、高校一年だ」
702Res/519.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。